第76章 お医者さんごっこ part2 家康side ※R18
昨日のこと…
「家康公、想像してみてください。白衣を着て、丈の短い服からスラリとした脚を覗かせ、脚を組んで椅子に座り、『今日はどうなさいました?』と伏し目がちに状態を聞いてくる。診察だからと近づいてきて、聴診器を胸にあて、心音を聞きながら上目使いで顔を覗いてくる。目が合って、白衣からチラリと胸の谷間が…」
「ちょっと待て」
冷ややかに、そして、かなり怒りと殺意を込めた声で佐助の力説を止める家康。
「家康公、どうしました?」
「お前、もしかして、今言ったこと、陽菜で想像してるんじゃないだろうね。」
刀にカチャリと手をかけ、佐助の返答次第では、瞬時に刀を抜き放つであろうぐらいの殺気を纏う家康。
佐助はそんな家康に、怯むことなく、平然とした態度で
「ご安心を。陽菜さんではなく、俺の想像する女医です。」
言いきった佐助。家康は、一応殺気を解く。
「まぁ、家康公。今、俺が言ったのを陽菜さんで、想像してみてくださいよ。そそられる筈です」
「だから……」
「白衣もこちらに置いておきますので。家康公の願い、陽菜さんに叶えてもらえるといいですね。」
「は!?ちょっ…」
「では、これにてドロン。」
綺麗に畳まれた白衣を置き、佐助は来たときみたいに天井から出ていった。
「(こんなことを話していたとは言えない……)」
だけど、なんて言えばいいかも思い浮かばない。
悩んだ挙げ句…………
「ケホ……佐助の勘違いじゃない……ケホ…」
誤魔化すことにした。