第8章 動き始めた恋心〈6〉
振り返ると、
「あ。政宗、家康さんと三成くんも…」
「あんた、何やってんの」
「陽菜様、どうされました?」
三人が私の背後に立って見下ろしてる。
「ちょっとね……三人はどうしたの?」
「明日の策を話し合って、終わったから自分らの天幕に戻ろうとしてたところだ。お前、休まないのか?救護で疲れてるだろ。」
「明日もありますし、休まれてた方がいいですよ」
「そうなんだけど、ちょっと眠れなくて…」
そういうと三人が私の周りに腰をおろした。
「もしかして、気が昂ってんじゃないの?」
「え?」
「あぁ…初めて出陣した兵達が、そうなること多いな。体は疲れてるのに気が昂りすぎて、自分はまだ大丈夫って勘違いするんだよ。」
「しっかり休めてないから、翌日は体の動きも悪くなり判断力も落ちてしまいますからね……咄嗟の行動が出来なくなるんです。」
「…なるほど…」
「あとは戦場っていうのも眠れない理由なんじゃない。前線にじゃなくても、ここに居てるのも多少は不安でしょ」
言われてみればそうなのかも…
現代では仕事から帰ったら即ベッドに倒れこんでた…
1日中怪我人の手当てをして疲れてるはず。仕事量でいえば現代と同じかそれ以上なのに、眠れないのは
ここが戦場というのも一つの理由かもしれない。