第74章 ~if~『武将の職業』
「じゃあ、三成くんは?」
「三成くん?うーん…本が好きだし、図書館員かな?」
「図書館員か~…私は弁護士かな?」
「弁護士?あんまりイメージない職業だね。」
お姉ちゃんがなんで?って顔で聞いてくる。
「だって、三成くん賢いし、織田軍の参謀なんでしょ?戦略とか考えるから、弁護士も頭脳で戦うし。」
「なるほど。じゃあ裁判とかで『異議あり』とか言うのかな?」
―――
「異議あり。今の発言は被告人への誘導尋問にあたります。そもそも今回の案件は………」
―――
「「…………」」
「理詰めで問いただされたら、絶対勝てないと思う。」
「うん。六法全書、全部暗記してそうだよね。」
いつもニコニコとエンジェルスマイルを振りまいてる三成だが、参謀としての働きを戦で見たことのある陽菜は、法廷でも、あんな感じかな。と思った。
「じゃあ、光秀さんは、どんな職業だと思う?」
「私、光秀さんひとつしか考えつかない。」
「え?何?」
「公安警察。」
ビシっと人さし指を伸ばし、言いきる陽菜
「公安って…潜入捜査とかするんだよね?」
「そうそう。私もテレビドラマのイメージしかないけど、組織に潜入して、悪事を暴くっていう部署なんだって。」
「裏でいろいろ情報を集める光秀さんにピッタリだね……」
―――
「明日からの潜入先だが、今までより以上に、かなり厳しい組織だ。必ず売春行為をしている証拠を掴むぞ。」
―――
「「…………」」
「光秀さんなら、上手く潜入して、あっという間に証拠を掴むだろうね。」
「うん。黒幕も、手の平の上で転がしてそうだよ…」
改めて、敵にまわしたくない人物だと思いしる姉妹だった。