第73章 ~if~『武将の委員会』
数日後
「ほう。いい出来だ」
「!ありがとうございます!!」
軍議が長引きそうなので、武将全員で広間で昼食をとることになった。それならば、姉妹も一緒に食べようとなり、食事前に香菜は出来上がった羽織を信長に見せていた。
「一度羽織っていただけますか?丈などの長さを確認したいので」
香菜の言葉に、信長は白い羽織を脱ぎ、仕立てた羽織に袖を通す。
黒地で裾に向かって濃い赤へとグラデーションしており、羽織の真ん中ぐらいから裾へ流れるように、白と金の糸で胡蝶蘭の花を刺繍している。
「信長様!とってもお似合いです!とても神々しい!!」
「お姉ちゃん、すご~い!」
「素晴らしいです!」
「……似合ってるけど、あれ羽織ってたら魔王にしか見えなくない?」
「あの赤は返り血ってか?」
「なるほど。では白と金は、魂ってところだろう。」
後半3人は、香菜の針子の腕前を認めているし、この羽織も似合っていると心から思っているが、信長が羽織るとなぜか魔王に見えてしまうらしい。
「丈もちょうどいい長さで大丈夫そうですね。」
サイズなどの細かいところを確認し終えた香菜。信長も羽織を脱ぎ、香菜は羽織を畳み、信長に渡す。