第71章 恋から愛へ《30》
一度涙が流れると、なかなか止めることが出来ず、流れる度に、家康は拭ってくれた。
ようやく落ち着いたころに、家康への返事をする。
「っ……わ、私も……家康の、こと…愛してるっ…」
家康の手の上に、自分の手を重ね、家康の手をキュッと掴む。
「もう……家康なしじゃ、生きていけない、ぐらいっ…家康のこと、が…大好きっ…」
また涙が出そうになるのを必死に堪え、震える声で私の想いを家康に伝えた。
「っ!!///」
「ん!!………は…ぁ………」
私の言葉に、目を見開いて真っ赤になった家康の顔が、一瞬見えたけど、すぐに口づけをされた。
「…ふぅ……ぁ………ん…………」
舌同士を絡めあわせ、家康との口づけに酔いしれる。
チュッ。とリップ音を残して、家康の唇が離れる。
「俺の方が、陽菜なしじゃ生きていけない。」
耳元で囁かれ、口づけで速まった鼓動が、さらに速まる。
「…じゃあ……私たち、お互いに無くてはならない存在だね。」
「……そうだね。」
クスクス笑いながら、私たちは、お互いの想いを確認しあった。