第69章 恋から愛へ《28》 ※R18
宴もお開きになり、私は家康と一緒に家康の御殿に向かった。
そして今、家康の部屋で、明日のことを話している。
「明日、どこか行きたいとこある?今日は香菜と城下に行ったんでしょ?」
「うん!世話役の仕事でみんなの御殿に行くから、ほぼ毎日、城下には行ってたけど、お使い以外でお店とかは入ったことなかったから、楽しかった!」
「そっか。じゃあ、城下以外のとこ行く?」
「城下以外に何かあるの?」
「え?」
戦に同行したり、風邪をひいていたりしていた陽菜。しかも3ヶ月間、現代にいたため、いまいち安土の地理をわかっていないのだった。
「えっと……野原とか湖とか?」
「湖があるの!?行ってみたい!」
目をキラキラさせる陽菜。
家康は、陽菜の表情に、笑みを浮かべる。
「じゃあ、明日はそこに行こう。」
「うん♪あ!それなら、お弁当持ってそこでご飯食べようよ。私、作るし。」
「え?陽菜が?」
「うん。政宗ほどじゃないけど、得意だよ。」
「……じゃあ、楽しみにしてる。」
家康が微笑み、陽菜の髪の毛を一房掬い、口づける。
ドキっ!
「っ///…あ……そろそろ降りるね…重いでしょ?」
部屋に入ってから、胡座をかいた家康の上に、向かい合って座っている陽菜。
家康がポン。と自分の膝を軽く叩き、「ここ、おいで」と言われ、少し戸惑ったけど、言われた通り、家康の胡座のところにおずおずと座ったのだ。
家康の肩に手を置き、腰を浮かせようとしたが、逆に腰を掴まれ、グイっと家康の方に引き寄せられた。
「駄目。このままでいて。」
耳元で、甘い声でお願いされる。