第68章 恋から愛へ《27》
佐助くんの話によると、最初の1ヶ月は、ワームホールが現れる気配は全くなかったけど、1ヶ月半過ぎに、反応が少しずつ出てきたらしい。
でも、出たり消えたりを繰り返していたから、なかなか私に言えずにいたみたい。
だけど、だんだん反応が強くなっていったから、日時などを割り出すのに、集中したかったと話してくれたけど、
「それと、私がどう関係するの?」
「ワームホールの反応が初めて出たのは、陽菜さんが家康さんの話をしたときだよ。」
「え!?」
家康本人の前でこんなことを暴露されるとは思わなかった……
「家康さんの話をした日は、強く反応が出てたんだけど、出ないときもあったから、そういう時は不安になっていたときじゃないかな?」
確かに御守りに願掛けを毎日していたけど、このまま帰れないのかな…とか何度も不安になっていたことがある。
それでも、毎日、御守りにお願いをしていた。
家康に会わせてください。って……
「あとは、香菜さん達の想いも影響してると、俺は思ってる。陽菜さんに会いたいって気持ちが、今回のワームホール出現に繋がったんじゃないかって。いろんな愛の力だね。」
そう話して、佐助くんは、口角を少しあげ笑い、私は少しだけ涙が流れた。そんな私を、家康は何も言わず、頭を数回撫でてくれた。
佐助くんが、家康にサインをお願いしていると……
「おーい、佐助ーー」
佐助くんを呼ぶ声が聞こえた。