第67章 恋から愛へ《26》家康side
「政宗のご飯、美味しい~♡」
夕刻、陽菜が帰ってきたお祝いの宴が始まった。
「おう。いっぱい作ったからな!どんどん食え!」
「うん!」
パクパクと政宗さんが作った料理を、美味しそうに口に運んでいく陽菜。
「そういや、この変わった包みみたいなの…なんだ?」
「(それ、俺も気になってた…)」
政宗さんが、陽菜の横に置いてある包みに目をやる。
宴に行くときに、忘れ物をした。と言うので、陽菜の部屋に向かった。『かばん』というものから、包みみたいなのを取り出し、それが何なのか聞いたが『内緒』と言われたままだった。
「あ、これは秀吉さんに頼まれたものなの!ちょっと渡してくる。」
包みを持ち、「秀吉さーん」と言いながら、信長様にお酌をしている秀吉さんのもとに行った。
「どうした?陽菜」
「ちょうどいい。陽菜、酌をしろ。」
「はい!その前に、秀吉さん!はいっ」
秀吉さんの前に、包みを差し出す。
「?なんだ?これ…」
秀吉さんが、不思議そうにそれを見る。