第65章 恋から愛へ《24》家康side
その震えた肩を見て、胸が締め付けられたような感覚になり、陽菜の肩を掴み、こちらに振り向かせると……
「っ……!」
陽菜のくりっとした瞳から涙が一筋流れた。
もしかして、何も言わず顔を背けた俺に、拒絶されたと思ったのだろうか……
俺自身の想いを伝えようと、俺が口を開こうとしたら
「ごめんね!急にあんなこと言われて迷惑だったよね…」
「そっ…!」
そんなことないと言おうとしたが、陽菜が矢継ぎ早に
「ほんと、すぐに忘れて!ごめんね!!」
言いながら、どんどん目に涙が溜まり始める陽菜。
それでも、涙を流すまいと、必死に笑顔をみせる。
そんな陽菜に、さらに胸を締め付けられ
ギュッ!!
俺は陽菜を抱きしめ
「…忘れるわけ…ない……」