第7章 動き始めた恋心〈5〉家康side

「(思い出したら、顔赤くなりそう…)」


赤くならないように、明日の策を考えることにした。



兵達を引き連れて野営地に戻ると、

「家康さん、政宗！おかえりなさい！！」

と陽菜が心底安心した。という笑顔で出迎えていた。


その笑顔に、思わず見惚れる。

俺だけじゃなく、政宗さんと兵達もその笑顔に見惚れて、顔を赤らめてる奴らもチラホラ……

「(……なんか苛つく)」


「おう！出迎え、ありがとな！」

政宗さんは頭をポンポン撫でてる

「(なんで秀吉さんも政宗さんも撫でるんだよ…)」

それに引き換え俺は


「…………ただいま」

ボソっと不貞腐れた返事をした。


「二人とも怪我とかしてないですか？大丈夫ですか？」

心配そうに眉を下げる陽菜

政宗さんも俺も、怪我はしているが大したものじゃない。大丈夫だと伝えようとしたが

「二人ともすぐに手当てするね！」

と、天幕まで連れて行かれた。








「はい！政宗終わったよ！」

「おう！助かった。にしても、家康並みに手際いいな。」

「え！？それはないでしょ！いいすぎ！」

「(確かに練習で俺にやってもらったときより、手慣れた感じになってる。今日1日頑張ったんだな…)」

あとで一応褒めようと思ったとき


「そうか？まぁ、助かった。なんか礼でもするか」

「お礼なんていいよ。救護するために来てるんだし」

「まぁ、そういうな。」

グイっ！

「わっ！」


―――チュッ…――――

「「！？」」
「(なっ！？)」



政宗さんに腕を引っ張られ、頬に口づけされた陽菜

「帰ったら、ちゃんとした礼してやる」

政宗さんはニヤニヤしてる











―――――――………かなり苛つく