第62章 恋から愛へ《21》
そして何も話すことなく湯殿につき、家康は陽菜を降ろす。
「あ、ありがと……///」
なんとかお礼だけは伝えることは出来た。
「これくらい、どうってことないから。香菜もすぐ来ると思う。それより…裸足で走ってたって言ってたけど、怪我してない?」
「あ、怪我は多分してないよ…」
「…一応診るから、湯浴み終わったら、部屋で待ってて。半刻すぎたくらいに行くから。」
「うん。わかった。」
返事をして、家康は去っていき、ほどなくしてお姉ちゃんが湯殿にやってきた。
―――…ちゃぽん………
「じゃあ、二回とも予想外に現れたんだ。」
「そうみたい。現れたとき、珍しく佐助くん焦ってたし…こっちに戻るときもギリギリ30分前に連絡があったから…」
現代じゃ考えられないくらいの、とてつもなく大きな湯船にお姉ちゃんと浸かりながら、ワームホールのことを話す。
「そっか……大変だったね。」
「…うん。でも戻れてよかった。」
お姉ちゃんに会えたし。とニコニコしながら伝えると
「もう♪可愛いな~♡」
頭をなでなでされた。けど、すぐにニヤニヤした顔になり
「でも、一番会いたかったのは、家康さんでしょ~♡」
「なっ!///い、家康だけじゃないよ!みんなに会いたかったのっ!!///」
「ムキになっちゃって~♡早くやり残したことしてきて、告白しちゃいなさい♡」
「ちょっと!頬っぺたツンツンしないでっ!!」
湯船に浸かりながら、3ヶ月振りのお姉ちゃんとの会話を充分楽しみ………
「可愛いーーー♡素敵!お姉ちゃんありがとう!!」
お風呂から上がったあと、お姉ちゃんが作ってくれていた着物に袖を通した。
「陽菜、可愛いよ♡よく似合ってる。」
お姉ちゃんが満面の笑みで、褒めてくれた。