第61章 恋から愛へ《20》家康side
「「「「………」」」」
三成のバカはともかく、他の三人は気を配ったな……
秀吉さんにチラリと目線を向けると、秀吉さんも俺の方に目だけ向けていた。
目が合うと、お互い同時に小さいため息を吐く
姉妹は、あまり良くわかってない顔をしている。
「とりあえず、二人とも湯浴みしにいけ。着替えは女中に用意させるから。」
「…うん」
香菜は廊下に腰掛け、足袋を脱いでから、裸足で廊下にあがる。
だが、陽菜は庭から廊下へ上がろうとしない。
「?何やってんの?早く上がりなよ。」
「あ、上がりたいんだけど、雨で全身濡れてるし、しかも裸足で走ってたから、足の裏も汚れてて……廊下汚しちゃう…」
陽菜は眉を下げ、落ち込む。
その姿を見て俺は軽く息を吐き、羽織を脱いで陽菜の肩にかけると、
「しっかり掴まってて」
陽菜にそれだけ言うと、
「?…っ、ひゃあ!?」
陽菜を横抱きにして、そのまま湯殿まで連れていった。
秀吉さんと香菜を置いて……