第61章 恋から愛へ《20》家康side
「まぁ、それだけずぶ濡れなら、放っておけば風邪をひく。陽菜、湯浴みしてこい。」
「はい…」
「ついでに、香菜もしてこい。」
「え?」
「さっき、陽菜と抱きあったときに濡れただろ。それに三月振りに姉妹揃ったのだ。話したいこともあるだろう。」
信長の言葉に姉妹は顔を見合わせ、ニコリと笑い、信長に「ありがとうございます。」と二人声を揃えてお礼を言った。
「では、俺は失礼します。」
佐助も、俺たち全員に挨拶すると
「佐助、1週間後、謙信たちを連れ、安土城に参れ。貴様と陽菜が戻ってきたことのお祝いだ。謙信には借りもあるからな。酒の飲み比べの決闘をする。と伝えろ。」
「ありがとうございます。必ずお伝えします。」
佐助はペコリと頭を下げ、安土城を去った。
「貴様ら姉妹は湯浴みだ。それと今日の軍議は終わりにして、夕刻から陽菜が帰ってきた祝いの宴だ。」
「なら、俺は飯でも作るとするか。陽菜、楽しみにしとけよ。」
「三成、俺と天主に行くぞ。明日の偵察のこと、信長様としっかり話さないといけないからな。」
「え?はい。わかりました。」
そう言って信長様達は歩いていき、この場には、姉妹と秀吉さんと俺が残った。