第61章 恋から愛へ《20》家康side
「「!?」」
バッ!!と勢いよく信長様の方へ向く陽菜と佐助。
陽菜は顔が真っ青になり、「ななな……」と、口をパクパクして
佐助は無表情で、何を思ってるかわからないが、目がかなり見開いている。
二人の表情の差が激しすぎる
「あ、あの…佐助くん…ごめんね……信長様達に全部話したの……」
香菜が申し訳なさそうに、佐助と陽菜に事情を話す。
…………………
「そうだったんだ……」
「……そうか。謙信様たちにも……」
陽菜たちが来世から来たこと。
佐助のこと。
佐助に助けを求めるため、上杉に連絡したこと。
上杉にも、佐助が来世から来たことを話したこと。
香菜は二人に、経緯を話した。
「ごめんね…佐助くん。謙信様に文を出したときは、まさか、陽菜と一緒に、現代に帰ったとは思わなかったから……。」
「謝らないでくれ。突然のことだったから仕方ないよ。」
香菜が頭を下げて謝るのを、佐助が止めたとき
「……クシュンっ!」
「「「「………」」」」
「ズズっ……ごめんなさい……」
陽菜のくしゃみで話が止まり、全員陽菜に視線をやる