第61章 恋から愛へ《20》家康side
「っ、陽菜……?」
佐助の後ろから出てきた陽菜に、香菜の確かめるような声
「(…陽菜……?)」
俺だけでなく、全員が目を見開いた。
香菜の顔を見て、涙がジワジワ溢れてきた陽菜
二人とも、ゆっくりとお互いの方へ駆け寄り、
駆け寄ってるときに、陽菜の肩から羽織がハラリと地に落ち……
ギュッ!!!
「…ぅ……っく、…ぅわあぁぁぁ……っ!!」
二人は抱き合い、陽菜は小さい子どもみたいに泣きじゃくった。
「…っふ、ぅ…陽菜…お、かえ…っり、っひく…」
「う、っく…おっ、姉ちゃ…ただいっ…ま…っく…」
泣きながら抱き合う姉妹。
久しぶりの再会にお互いの存在を確かめるかのように、ギュッと抱きしめていた。