第60章 恋から愛へ《19》
「……っふ…ぅ、無事で……良かっ……っ…た…」
「ぅ、う……ごめ…っ、なさ……っく…」
お姉ちゃんの声。
すごく心配していたのが伝わり、私の涙は、止まることなく瞳から流れおちる。
「…っふ、ぅ…陽菜…お、かえ…っり、っひく…」
「う、っく…おっ、姉ちゃ…ただいっ…ま…っく…」
お姉ちゃんは着物が濡れるのも気にせず、びしょ濡れの私を、ギュッと抱きしめてくれ
私も、お姉ちゃんのことをギュッと抱きしめた。
「陽菜、よく戻ってきたな。」
信長様の声が聞こえ、お姉ちゃんとゆっくり離れ、みんなの方へ向く。
「っく…のぶ、なっ…が、さま……みん、な……っひく…」
信長様、秀吉さん、政宗、光秀さん、三成くん、
そして………
「(家康……)」
みんなの顔を見て、さらに戻ってこれたと実感して、また涙が溢れだした。
だけど、ちゃんと挨拶したくて、涙でみんなの顔がボヤけるのを、手で涙を拭って
「今、…っ…帰って…っ、きました…っ……」
涙混じりの声で、泣いたから目も真っ赤だけど、満面の笑顔で挨拶した。