第60章 恋から愛へ《19》
「っ、陽菜……?」
お姉ちゃんのくりくりした目が大きく見開き
「…お姉ちゃ……っ…」
お姉ちゃんの顔を見て安心したからか、涙がジワジワ溢れてきた。
そして、お姉ちゃんの方へ駆け寄り、
「っ…陽菜っ!」
お姉ちゃんも何も履かず、足袋のまま廊下から庭に降り、駆け寄ってきて
ハラ……
肩に羽織っていた白衣がハラリと地に落ち……
ギュッ!!!
「…ぅ……っく、…ぅわあぁぁぁ……っ!!」
お姉ちゃんと抱き合い、その温もりに、本当に帰ってきたんだと心から安心して、私は小さい子どもみたいに泣きじゃくった。