第59章 恋から愛へ《18》家康side
ゴロゴロ……ゴロ……
「……でも、戻ってきたとして…どこに現れるんだ……?」
「香菜様たちが本能寺で、信長様をお救いしているので、本能寺なのでは…」
「本能寺って…今からじゃ間に合わねぇぞ……」
ザァァーーー…………
「貴様ら、落ち着け。さすがに、この雨では馬も走れん。雷に怯える。弱まるのを待つしかない。」
「信長様の言うとおりだ。どこに現れるかわからないのだから、今は雨が弱まるのを待て。探すのはそれからだ。」
秀吉さん達が言い合っていたのを、信長様と光秀さんが、諭して止める。
「(…陽菜……)」
預かっている陽菜の御守りを、懐から取りだし、早く帰っておいで。と願う。
今までの香菜の話を聞いてると、なんとなくだが、雷が落ちるところに現れるような気がしたから、俺は空から目を逸らさないでいる。
ギュッと、御守りを掴んでいる手に力を入れると
…ゴロ、ゴロ……ゴロゴロ…
ドオォォォーーーーーーン!!!!
すぐ近くに雷が落ち、あまりの音の大きさと眩しさに、さすがの武将達も、咄嗟に腕で顔を隠す。