第6章 動き始めた恋心〈4〉
「何するの!!!!」
「何って頬に口づけただけだろ。口のが良かったか?」
「そうじゃなくて、恋人同士じゃないのに、こんなことしちゃ駄目!」
「んな堅いこと言うな」
「政宗はよくても私は駄目なの!冗談でもしちゃ駄目!!」
「半分は本気なんだけどな」
「残り半分冗談じゃん!とにかく、私はこういうのは好きな人としかしないの!!」
「わかった、わかった。悪かったって。帰ったら、なんか旨いもん作ってやるから…そう怒るな」
「う~~~!!!!!」
頬を膨らませて私は拗ねる
「じゃっ、俺は行くわ。」
手をヒラヒラしながら天幕から出ていった。
「(てか、なんで家康さんの前でこんなことすんのよ!気まずいじゃん!!)」
チラッと家康さんを見ると
「……………………」
眉間に皺よって、かなり不機嫌。
「(気まずいけど、怪我してるって言ってたし、手当てはしないと………)」
「家康さん、あの……手当てしますね………」
「…………いい」
ズキっ……
「……あ、じゃあ、救護の方、誰か呼んできます。私より慣れてる方のがいいと思うし……」
「………いい」
「え?」
「…自分でやるからいい。道具だけ置いといて」
「え?でも怪我したの肩なんですよね?片手じゃ出来なくないですか?」
薬は塗れても、さすがに片手で包帯は無理だろう。
「………………(ジー…)」
「??家康さん??」
なぜジーと見られるのかわからず、首を傾げる
「っ!やっぱり陽菜にお願いする……」
「っはい!」