第56章 恋から愛へ《15》
「……もしかして、ワームホール…出現しないとか……」
帰ってきたときに、二度と戻れないかもって言ってたし……無謀なのかな…
だんだん考えが悪い方へと向かっているのを、追い払うように頭を左右に振る。
「(大丈夫!佐助くんが一生懸命調べてるんだから、信じないと!)」
スマホを鞄に入れ、お会計を済ましてカフェを出た。
そのままスーパーに行き、いろいろ食材を手にとり、カゴに入れていく。
「(明日から5連勤だし、帰ったら、いろいろ作って、冷凍しとこ。)」
お姉ちゃんみたいに裁縫は出来ないけど、料理はそこそこ得意。
「(まぁ、政宗ほどの腕前じゃないけど……あれはプロ顔負けでしょ…)」
ごはんだけでなく、お菓子まで作れるんだから…
宴で食べた料理も美味しかったし、雑炊もお野菜から出汁が出てて美味しかったし…
きな粉餅はすごいモチモチしてたなー…
お団子も美味しかったし、とくにみたらし団子のタレは絶品でー♪あとは……
「あ。」
政宗が作ってくれた料理、特に甘いものを思い出していると、無意識に足はお菓子コーナーへと進んでいた。
そして引き寄せられるように、大好きなチョコに手を伸ばす。
「(……甘いものの誘惑には勝てない……)」
チョコを手にとり、カゴにいれようとしたとき
「あ……」
陳列棚の下のほうに、金米糖があるのを見つけた。