第54章 恋から愛へ《13》
「(佐助くんのこういう笑ってる顔、初めて見た。)」
普段笑わない人の笑う姿は、なんだか衝撃でいいものを見た感じがする。
「(そういえば、家康も普段あんまり笑わなかったな…)」
初めて笑ったとこ見たのは、呼びすてにしたときだった…。
「(あのときに、家康のこと好きって気づいたんだよね……あとは…)」
フッて笑う顔もかっこ良かったな…
優しく微笑んでる顔にもドキドキしたし……
「(笑ってるところはあまり見ないけど、他にも格好いいところいっぱいあって……ドキドキもさせられて……)」
唇に指をあてられたとき
月明かりに照らされてた姿
手当てする手が優しいこと
照れてる顔
額にキスされたこと
「(一度、キスもしかけたけど……あのとき家康はどう思ってたんだろ……)」