第53章 恋から愛へ《12》家康side
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半月前、謙信達とこの広間で、陽菜と佐助が500年後に帰っていることを話し、嵐みたいな天気を待つしかないとなった後……
「話はわかった。佐助がなかなか戻らんから、姫鶴一文字が退屈している。信長、相手をしろ。お前の首を貰おうではないか。」
「なんだと!!」
「秀吉様!落ち着いてください!」
今にも斬りかかろうとする秀吉さんを、三成が必死に抑える。
「謙信、女子の前で物騒なものは出すな。それと信長の首を斬るのは俺にさせろ。」
「……あんたたち、敵陣ど真ん中で、なに馬鹿なこと言ってるの…」
「面白そうだな。俺も手合わせ願おうじゃないか。」
「政宗!こいつらを煽るな!!」
そのとき、
「おや。かなり珍しい客人がいるもんだな。」
その声に反応して一斉にそちらを見ると
「光秀か」
顕如の後を追っていた光秀さんが戻ってきた。