第51章 恋から愛へ《10》
「伊達政宗の料理が趣味っていうのも有名だな。ずんだ餅などは政宗公が開発したと言われているし。」
「そうなの!?歴史苦手だったから、何も知らなくて……」
佐助くんみたいに歴史に詳しかったら、みんなと出会ったときにもっと感動してたかもしれないけど、生憎名前ぐらいしか知らなかったから、それほど感動とかなかったな……
「陽菜さん。俺、どうしても知りたい武将がいるんだけど、その人のこと聞いてもいいかい?」
「あ、うん!私が知ってることぐらいなら!誰?」
「『徳川家康』」
「え…家康?」
「小さい頃に家康公の伝記を読んでから、家康公の大ファンでね。出来るならこの眼で江戸時代が開いていくのを見たい。陽菜さん達に会いに言ってたときにサインをお願いしておけば良かったと、今とても後悔しているんだ。」
「……」
ポカーン……
開いた口が塞がらない……
無表情の佐助くんが、少し表情を崩して、嬉しそうに家康の話をしているし、他の武将以上にスラスラと家康のことを話しているから、本当に大ファンなんだろう……
「陽菜さん、あまり家康公の話はしないから、もしかして、そんなに関わってないのかな?」
「あ、ううん!…家康にはいっぱいお世話になってて!そうだな、家康は……」
私、家康のこと、あまり話してなかったんだ……