第51章 恋から愛へ《10》
「信長様は金米糖が大好きで、夜中にもこっそり食べてて、秀吉さんが信長様の体を心配してるの。
で、その秀吉さんは、信長様の言うことはすぐ聞くんだ~。本能寺のときに……――」
タイムスリップして1ヶ月が過ぎた。
まだ、戦国時代に帰れるかはわからないけど、佐助くんが一生懸命調べてくれている。
今日は、佐助くんの研究の合間に、カフェで戦国武将達について語り合っていた。
「へぇー、史実通り、豊臣秀吉は織田信長に忠誠を尽くしているんだな。」
佐助くんは無表情でブラックコーヒーに口をつける。
「ほんと、信長様命!って感じなの。
最初、私もお姉ちゃんも、秀吉さんにすごい疑われてたから、苦手だったんだけど、誤解が解けると、すごく世話をやいてくれて、面倒見がいいお兄ちゃんみたいな人だよ。」
……今も、信長様に金米糖の食べすぎを注意してるのかも……
「政宗は料理上手で、ちょっと強引なとこがあって、光秀さんは、何考えているかわからないの。この二人にはよく揶揄われてたなー。三成くんは頭がいいんだけど、少し抜けてるところがあって、エンジェルスマイルが最強なの!」
政宗の作ったきな粉餅、美味しかったな…。
光秀さんは、あまり安土に居ないから、話す機会が少なかったけど、よく小娘って言われてた…
三成くん、よく寝癖がついてたけど、三成くん本人は何も気にしてなかったな……