第49章 恋から愛へ《8》
ムニ……
頬を摘ままれ、同僚の方へ目を向けると
グイー…と軽く引っ張られて、すぐ、手が離れた。
「……痛い……」
引っ張られた頬を擦りながら、軽く睨む
「とりあえず、前の合コンでは、運命の相手だと思える人がいなかった。それより陽菜…そんなに好きなら、ちゃんと捕まえとかないと。」
「え?」
「素敵な人じゃない。辛い過去から乗り越えるって、簡単なことじゃないよ。しかも努力家で優しいなんて、そんな素敵な人、女が黙ってないよ?」
「……えっと…?」
もしかして、付き合って別れたとか思われてる……?
「なにがあったか知らないけど、陽菜が思ってることちゃんと伝えないと。」
「でも、また会えるかわかんないし…気持ちも伝えるつもりないし…」
佐助くんが、もう一度ワームホールが開くか調べてくれてるけど…
「あのね…そんな弱気なら尚更会えないよ。ていうか、陽菜らしくない。素直で、明るくて、根性のある陽菜はどこ行ったのよ?」
「そんなこと言われても……」
「じゃあ、ずっとモヤモヤしとくの?その人に彼女が出来てもいいの?」