第48章 恋から愛へ《7》家康side
陽菜が居なくなって10日後
顕如の行方を追っている光秀さん以外の武将達で、軍議をしている。
「まだ、返事はないか?」
「まだ何も連絡がありません。もしや罠か何かだと思っているのでは……」
「謙信はともかく、信玄なら、そう考えても可笑しくはないな。返事がくるまで、顕如討伐の策を練る。政宗、家康は急いで兵を集めろ。」
「「はっ。」」
「秀吉、香菜の様子はどうだ?」
「はい……食事と睡眠以外の時間は、ずっと針子の仕事をしています。夜は休むよう言っているのですが、何かしていないと落ち着かないようで……」
秀吉さんは、陽菜が居なくなってから、毎日香菜の部屋に行き、香菜の気を紛らわしている
政宗さんも毎日ではないが、甘味を作って、香菜に食べさせているようだ。
「香菜の話では、本来一月後に帰れる筈が、一月早まった。もしくは、たまたま《わーむほーる》とやらが現れただけで、予定通り一月後に現れる可能性もある。いずれにせよ、佐助という忍と会わん限りわからんな。」
すると、
「信長様、軍議中に失礼いたします。上杉謙信から書状が届きました。」
襖の向こうから家臣の声がかかり、信長様が入室許可を出す。
書状を受けとると、家臣は退室し、書状を広げると……
「………ほぅ……」
何て書いてあったのか聞くと…
“佐助に何の用があるか知らんが、佐助に会う前に、俺が信長の首を頂く”
と、書かれていた。