第48章 恋から愛へ《7》家康side
バタバタバタ……!!
「失礼いたしますっ!謙信様!!」
廊下を走ってきた家臣が、血相変えて広間に入ってくる。
「なんだ。それだけ騒がしく入ってきたんだ。余程のことでないと、お前を斬り刻むぞ。」
「そ、それだけはご勘弁をっ!!実は先程、織田から書状が届きまして……」
「なんだと?」
「信長から書状…?」
「お前、今すぐ見せろ。」
「は!はいっ!!」
『織田信長』の名を出した途端、3人の武将の纏う雰囲気が変わり、文を持ってきた家臣は震え上がり、恐る恐る謙信に近づき、書状を渡す。
書状を受け取った謙信は、すぐにそれを広げ、目を通すと………
「…なんだ、これは」
顔をしかめ、書状を信玄と幸村にも見せると
「はぁ!?」
「…どういうことだ?」
書状には
“佐助という忍、今すぐ安土に来い”
とだけが書かれていた。