第46章 恋から愛へ《5》家康side
「それで貴様らは元の世に帰る手立てはあったのか?」
「………この時代へタイムスリップしてから三月後…実際はあと一月半に、同じ現象が起こると………もう一人この時代に来た方に教えてもらいました……」
「もう一人?貴様らだけではなく、《たいむすりっぷ》とやらをした奴がいるのか?」
「………はぃ……」
香菜の声がかなり小さくなる
「もう一人とは誰だ?」
「……………それは…」
香菜の体が震えだす。
言えない奴なのだろうか…
「香菜、ここまで話したんだ。香菜が知ってること全てを話してくれれば、何かてがかりが見つかるかもしれない。頼むから、教えてくれ……」
「秀吉さん……」
秀吉さんが香菜の手を握りしめ、懇願する
香菜は顔を俯かせ
「…………ぅ…………の」
「香菜?」
「……佐助くんと言って………上杉謙信に遣えている…忍です……」