第46章 恋から愛へ《5》家康side
「本能寺で俺を助けたときに着ていた着物は、来世での着物か?」
「はい…」
「そういえば、変わったお召し物を着られていましたね。あのとき陽菜様が、500年後から来た。とおっしゃっていたのを思い出しました。」
三成がそのときの状況を思い出し、信長様に進言している
「そういえば言っていたな。ならば俺の顔を見ても、知らないと言ったのも納得がいく。」
俺も少なからず納得するところがある…
薬学の勉強を始めたときに、本を貸したら『読めるかな…』ってボソッと言っていたのを思い出した。
あのときは時間のことかと思っていたが…
それに、本を広げて『これは何ですか?』とよく聞かれた。
戦に向かうときも、質問を書き記した紙に書かれた文字を見て、くずし字じゃなかったのに疑問を持っていたし…
それに、危なっかしいところも……
なんとなく、この時代の女たちとは雰囲気が違っていたのも……
500年後から来ていたと言われれば納得がいく。