第46章 恋から愛へ《5》家康side
「香菜、陽菜が帰ったとはどういうことだ?」
崩れ落ちた香菜を、部屋まで連れていこうと秀吉さんが横抱きにしたが、信長様の声で二人は広間に入る。
だが、香菜のただならぬ様子に、襖の前に居た家臣達も広間から遠ざけた。
「……くっ……先ほど、の…雷、で…帰った、かも…っく……しれな、くて……」
香菜は信長様の前に座り、秀吉さんが泣きながら話す香菜の背中を撫でていた。
「雷で、なぜ陽菜が帰る?」
「…っひく……そ、れは……」
香菜が口ごもる
「ただ、帰っただけで、貴様がそこまで取り乱すのだ。ただ事ではない。」
「香菜、そんなに言いづらいことなのか…?」
信長様と秀吉さんが香菜に聞く
「……っ、今から、私が……っ…言うことを、信じて、くださいますか…?」
震えた声で、でも、決意を決めたのか香菜は顔をあげ、信長様を見る
「信じるかは話を聞いてからだ。」
「……っく……わかり、ました…」
涙を手で拭った香菜
「…私と、陽菜は……500年後から、やってきました……。この時代の、人間ではありません…。」