第45章 恋から愛へ《4》
「そん、な……じゃあ、もう…お姉ちゃんにも……」
「…………」
「家康や信長様、秀吉さんに、政宗…光秀さんと三成くんにもっ…!?」
「…………」
コクン…
佐助くんが力なく頷いたのを見て、佐助くんの服を掴んでいた手から力が抜け、だらん…と手が下がる。
「……家、康に…、も、会えな……」
自分の言葉に、目の奥がツンと痛み、
ジワジワと目に涙が溜りはじめ
「風邪、治ったら……会う約、束…し、たのに……」
「………」
ぽたっ
「…お、っ…礼も、言えてな……っく……渡せて、ない……」
「………」
ぽたっ、ぽたっ
「ひでよ、っく……さんに、お使い……も…っく……」
「………」
「…うっ……お姉ちゃ……が……っひく…着物、っく……作っ………っく……」
「………」
喋るたびに涙がポタポタと地面を濡らしていく。
佐助くんは、何も言わず、じっと聞いていて。
「…あ……えな…………ふっ、うっ…あ……ぁ…」
体から力が抜け落ち、その場に崩れこんで、私は子どもみたいに泣きじゃくった。
私が泣きじゃくってる間、佐助くんは何も言わずに、ずっと私の背中を撫でていてくれた。