第45章 恋から愛へ《4》
佐助くんの方へ振り向いて
「…佐助く、ん……嘘…だよね…?」
震える声で聞くと
「………残念だけど、俺達は現代に帰ってきた…」
佐助くんの感情の読めない声で、事実を突きつけられた。
「お、お姉ちゃん、は…?」
辺りを見渡すとお姉ちゃんの姿が見えない。
「たぶん香菜さんは戦国時代に残ったままだ。お城に居るって君は言ってただろ?だから今回のワームホールに巻き込まれなかったんだと思う。」
「……な、んで…?だって、ま、だ……1ヶ月も……」
佐助くんの服を掴んで、責めるような言い方で聞きたいことを聞く
「すまない……。俺の計算が間違っていたのかもしれない…。それか、予想外の出現なのかもしれない。」
「そん、な……また、現れるよねっ!?」
すがるように佐助くんを見ると
佐助くんは私から目線を逸らし
「…ごめん……。もしかしたら、もう戻れないかもしれない……」