第43章 恋から愛へ《2》
翌日
「お使い?」
「あぁ。このあと軍議があって、城下に行けないんだ。悪いが頼む。」
秀吉さんが申し訳なさそうに、お願いしてきた。
「ううん。大丈夫。前に教えてくれたお店だよね?」
「そうだ。減りが早いから前より多めに買ってきてくれ。余った分は陽菜の好きなもの買っていいからな」
懐からお金が入った袋を渡してくれた。
「いいか。くれぐれも城下からは出るなよ。変な奴に声かけられても、返事しない。ついて行かない。それでもしつこい奴には急所を……」
「秀吉さん、わかったから!前よりいっぱい買ってくるね!秀吉さんも軍議頑張ってね!」
秀吉さんの長い長い注意事項から逃れるために、秀吉さんに手を振り廊下を走り出す。
「あ!こらっ!廊下は走るな!!」
「っ!ごめんなさいっ!」
スピードを落とし、早歩きで廊下を渡る
角を曲がり、秀吉さんの姿が見えなくなると、また走り出して、城下へ向かった。