第41章 想い溢れる恋《12》
家康が部屋に入る前、額を文机にぶつけたのを見せてと言われ、前髪を上に上げる。
「(これぐらいなら大丈夫なのにな~…)」
それでも、家康とまだ居れるのが嬉しくて、顔がにやけるのを必死に堪える。
「(というか……私もしかして……)」
さっきの台詞、『好き』って言ってるのと変わらない…よね?
もしかして家康にバレた…?
頭の中でグルグル考えていると
「ちょっと赤くなってるけど、大丈夫そうだね。」
「これぐらい大丈夫だよ…」
前髪を下ろそうと手を離す。
少し跡がついたのを手櫛で直すと、なぜか家康の手が私の前髪を上げた。
「?家康?」
ジーっと私の額を見ている家康
だんだん家康の顔が近づいてきて
「いえや…」
す…って言おうとしたと同時に
チュッ
額にキスされた