第40章 想い溢れる恋《11》家康side
「あ、あのね……」
陽菜が眉を下げ、俺の羽織の裾を掴む
「陽菜?」
「その…薬のことだけど…あの、その…実は飲んでなかったのっ!!」
ごめんなさい!!と勢いよく頭を下げた陽菜
は?
飲んでなかった?
「え?なんで?飲まないと治らないけど…」
「………それは、その…」
頭を下げたまま、俺の羽織も掴んでて、だんだん顔が赤くなっていく陽菜の顔が見えた
「陽菜?」
陽菜の顔を覗きこむ
「っ!?見ないでっ!!///」
グイっ!
「ちょっと!何して!」
俺の顔を陽菜が手で横に向ける
急に動かされたのと、かなりの力でグイグイ押されてるから、なかなか痛い。
「お願いだから見ないで!///理由はちょっと言えないの!!///」
はぁ?
薬作ってるの俺なのに。
なんで言えないんだよ。
ガシっ!
グイっ!
「わっ!?」
「言って。」
陽菜の細い手首を掴み、グイっと俺の方に引き、俺の胸に陽菜は倒れこんだ。