第40章 想い溢れる恋《11》家康side
「!?」
さすがに、いきなり開くと俺も驚く。
「あ、えと、どうしたの?」
「…それ、俺の台詞なんだけど…」
「へ?」
「薬持ってきたら、陽菜の部屋から、すごい音したから……何かあった?」
「あ…ちょっと、うたた寝してたら文机に勢いよく額ぶつけちゃって……」
アハハと少し頬を染めて、陽菜は額を擦る
「後で診るから、それより、聞きたいことあるから入っていい?」
「聞きたいこと?うん。どうぞ。」
部屋に入れてもらい、陽菜はお茶の用意をしようとするがそれを断る。
「聞きたいことって?」
「…咳、どう?」
「え?あ、うん…まだ少し出るけど…」
「そう…咳以外に何か症状ある?」
「特にないけど……聞きたいことってこのこと?」
「……まぁ…もしかして薬合わなかったのかと思って……」
だんだん語尾が小さくなっていく。
今まで、いろんな人間によく効くように作っているのに、効いてないのだから…
信長様にも早く治せと言われるし…
少しばかり焦っていた