第39章 想い溢れる恋《10》
「……そう…。陽菜の気持ちはわかった。私は…ちょっと考えるね。」
お姉ちゃんは立ち上がり、部屋を出ていった。
「…………」
好きだからそばに居たい。
子どもっぽい考えかもしれないけど、家康の過去に触れて、家康のこれからの人生は幸せいっぱいになってほしかった。
その幸せは、出来たら私と一緒に作ってほしいけど…
一緒には無理かもしれないから、それなら家康の幸せをそばで見ていたい。
「コホ…やっぱり子どもっぽかったかな…」
薬のこともだけど、こういう考えも……
でも、好きになったから、離れたくない。
現代に戻ったら、二度と会えなくなるから………
「今度、佐助くんが来たときに、言わないと…コホ…」
現代には帰らない
でも、
お姉ちゃんはどうするんだろ……