第38章 想い溢れる恋《9》
「いや…家康から、かなり醜態をさらして…香菜に絡んでいたって聞いて……あまり記憶もなくてな…何したかは香菜に聞けって……」
「……(家康さん、一体どんな風に話したの……)」
あまり覚えてない。ってことは、私に言ったことも覚えてないのか。
それが悲しいような…でも安心したような…複雑な気持ちになり、気づかれないぐらいの小さなため息をはく
「家康さんが大げさに言ったんだね。特に変なことも対したことも言ってないから気にしないで。」
「………」
眉を下げ、秀吉さんは私の手をとり
「?秀吉さん?どうし…」
「守りたいと思っている」
え………
「香菜のことを妹なんかじゃなく、一人の女として見ている。」
「秀吉さ……」
「香菜のことが、好きなんだ。」
「っ…!」
「俺の傍にいてくれないか?」
そう言って、私の手の甲に、
キスをした。