第38章 想い溢れる恋《9》
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《姉side》
「香菜、ちょっといいか…」
「秀吉さん?どうぞ。」
陽菜が家康さんの御殿に行ってる間、部屋で着物を解れを修繕していると秀吉さんから声がかかり、部屋に招いてお茶を淹れ秀吉さんに渡す。
「あぁ…ありがとう…」
お茶を受け取り、一口飲む秀吉さん
「ううん。どうしたの?」
「あ、いや、その……」
「??」
珍しく歯切れの悪い秀吉さんを不思議そうに見ると、秀吉さんは湯呑を文机の上に置き、姿勢を正し、手を畳について、
「すまなかった!!」
勢いよく頭を下げられた。
「え!?ち、ちょっと!!秀吉さん頭あげて!!」
秀吉さんの肩を揺らし、頭をあげてもらう。
「えっと……何の謝罪…?」
秀吉さんにここまで謝罪してもらう程の出来事などはないはず……
「……先日の宴では、見苦しい姿を見せて…悪かった……かなり迷惑かけただろ……」
「え?そんなこと?別に気にしてないけど…?」
ちょっと絡まれたりはしたけど、こんな謝り方するぐらいの迷惑はかけられていない。