第37章 想い溢れる恋《8》家康side
陽菜が体調を崩してから1週間、
「足の怪我も、よくなってるよ。傷口も塞がってるし、もう普段通りにしても大丈夫だから。」
「コホ…うん。ありがとう…コホ」
「…咳はまだ治まらないみたいだね。あとで咳止めの薬持ってくるから。」
熱も下がって、喉の痛みもひいたのだが、咳だけはなかなか治まらなかった。
「……うん。ありがとう…コホ」
少し、悲しそうな表情をする陽菜
「(薬飲んでも、治らないからしんどいんだろうな…)」
薬を片付け、陽菜の部屋を出る。
パタン…
襖を閉め、廊下を歩く家康
「(にしても、なんで咳が止まらないんだ…?なんか調合間違えた?いや、でも調合するときは細心の注意を払ってるし…)」
ブツブツ考えながら歩いていると
「家康」
「……(薬草の配合変えた方がいいかもな。それなら、陽菜の部屋に戻って、陽菜にどんな感じがするか聞いてから調合して…)」
立ち止まりクルッと体を反転させ、陽菜の部屋に再び向かおうとした時
「おい」
「っ…ぐっ!?」
襟巻きをグイっと引っ張られ、咳き込みながら後ろを振り返ると