第36章 想い溢れる恋《7》
体調を崩してから1週間、
家康の薬のおかげで、熱は下がり、喉の痛みもひいて、咳も落ち着いてきた。
「足の怪我も、よくなってるよ。傷口も塞がってるし、もう普段通りにしても大丈夫だから。」
「コホ…うん。ありがとう…コホ」
「…咳はまだ治まらないみたいだね。あとで咳止めの薬持ってくるから。」
「……うん。ありがとう…コホ」
家康が薬を片付けると部屋を出ていく。
パタン…
襖を閉める音を聞き、家康が歩いていく足音が遠ざかるのを確認すると
「はぁ……」
ため息をはく。
「コホ…なんで、こんなことしちゃうかな…」
布団から出て、文机の上に置いてある、小物入れの蓋を開けて、またため息をはく。
その中には、家康が作って持ってきてくれた、咳止めの薬包がいくつか入っている。