第35章 想い溢れる恋《6》家康side
「……ごぢぞうざま……ゴホっ…」
手を合わせて、政宗さんにお碗を渡す。
「(あんまり食べれてないな……)」
一度、おかわりはしたけど、お碗の半分にも満たない量だった。
「ごめ…なざい…のごじで……」
「気にするな。無理して食うのもよくない。昼より少し食べれたじゃねーか。」
「うん……」
「陽菜、ゆっくり休め。元気になったら、政宗の作ったご飯、いっぱい食べてやれ。な?」
「うん…ゴホ、はやぐ、なおずね。」
「ん。」
秀吉さんはニカッと笑う。
「陽菜、着替えてゆっくり休んで。」
「ぁい。」
「じゃあ、俺らも行くか。」
「そうですね。陽菜、また様子見にくるから。咳があまりにもひどいときは、これ飲んで。」
「うん」
コクンと頷く。
「ゆっくり休めよ。」
政宗さんがそう言うと、香菜だけ部屋に残し、俺たちは部屋を出た。