第32章 想い溢れる恋《3》
「…出来ない…」
「いいよ、お姉ちゃ…ゴホっ…ぞれぐらいなら自分で、ゴホ、ずるから……」
足の裏を怪我して、城に帰ってから、着替えとともに女中さんがしてくれたけど…
毎回やってもらうわけにもいかないから!とお姉ちゃんがやると言って、さっきから包帯で巻こうとしているんだけど……
かなりユルユル………
「これじゃ、ずぐ、おどげる…」
自分でやろうと手を伸ばそうとしたら
「すっごい声だね………」
襖を開けて、立っている家康の姿がみえた
「あ、家康さん」
「ぃえやず、ゴホっ…」
「秀吉さんから、喉がひどいって聞いて、薬持ってきたけど、思った以上にひどいね…」
こくんと頷く。
「薬飲む前に先に手当てする。貸して、香菜。俺がやるから」
「あ、じゃあ、陽菜のことお願いします!私、やること残ってるんで♪」
「え゛!?お姉ぢゃっ、ゴホっ!」
「陽菜、あとで様子見に来るからね~♪」
ウインクして、手を振って、笑顔で部屋から出ていった。