第31章 想い溢れる恋《2》家康side
だけど、陽菜を危険な目に合わせたのは、俺だ。
俺の心が弱いから、陽菜を傷つけた。
「今川の奴等を捕らえたならば、今後なにかすることはないだろう。それで狙われた陽菜はどうしている」
「熱が振り返して部屋で寝込んでいます。今は香菜が看病していて…あぁ、家康。陽菜が喉が痛いみたいで、声もガラガラだった。あとで診てやってくれ」
「わかりました。」
「では、話は終わりだ。」
信長様が広間から出ていき、武将たちも後を追うように出ていく。
俺も薬を取りに部屋に戻ろうとしたとき
「家康」
「政宗さん」
声をかけられ足を止め、政宗さんの顔を見る
「……なんですか」
たぶん昨日のことだろう。
政宗さんの顔が、昨日問いつめてきたような顔をしている