第30章 想い溢れる恋《1》
「ゴホっ……ゴホっ……」
「大丈夫?ほら、お水飲んで」
「ゴホっ……ぁり、がど…ゴホ……」
昨日、雨のなか長時間いたせいで、体は冷えきり、前の風邪は治っていたが、やはり病みあがり。
どうも完全復活ではなかったようで
私は、また風邪をひいてまった。
「まったく!なかなか帰ってこないから心配したら、怪我してるし、風邪はひくし……皆に迷惑かけすぎよ!」
「ずびばせん……わがっでばす……」
喉もガラガラ、鼻も詰まって、声も変になっている。
「ゆっくり休んで、風邪も怪我も治しなよ。また、様子見に来るから。」
「ぁぃ…」
お姉ちゃんは、額に冷えた手拭いを乗せて、部屋から出ていった。
「(情けない……)」
怪我をしたのも風邪をひいたのも情けないが、自分の行動が、大勢の人達に迷惑をかけてしまったことが一番情けないし、申し訳ない。
「(風邪も怪我も治ったら、皆さんに、謝罪しよう……)」
ウトウトしながら眠りについた