• テキストサイズ

イケメン戦国『あなたに夢中』

第28章 近くて遠い恋《14》


「あ、あの……助けてくれて、ありがとう……」

「…………」

「……迷惑、かけて…ごめんなさい……」

「…………」

家康の顔をみて、お礼と謝罪を言ったけど、家康は何も言わなかった。


「(……怒ってるよね……)」


沈黙に耐えきれず、顔を俯かせる

「…これ、陽菜の?」

「え?」

つい最近聞いたことのある台詞に顔をあげる


家康の手には



私が作った山吹色の御守りが乗っていた。



「え…なんで、家康が……………」

「ここに来るまでに落ちていたから。戦に行く直前に、香菜と御守りを持ったかどうかの会話が聞こえたから、もしかして陽菜のかな。と思ったんだけど。」


「あ、ありがとう………」


手を出し、その上に御守りを乗せられる。


「(知らない間に落としちゃったんだ……雨で濡れて汚れちゃった………)」


今日のことでもかなり迷惑をかけたから、お詫びも兼ねて、また作り直そうと思ったが、距離をおかれた今、受け取ってくれるのだろうか……


「(どうするかは、また考えよう……でも、一瞬でも、家康の手に渡ったんだ……)」


直接でないにしろ、家康のために作った御守りが一瞬でも家康の手に渡ったのは、嬉しかった。


「(この御守り、大事にしよう……)」




/ 663ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp