第28章 近くて遠い恋《14》
恐る恐る目を開けると、馬乗りしていた男の姿は見えず
家康の横顔を見上げていた。
顔を横に向けると、男は地面に倒れており、家康がその男を紐で縛り上げた
そして、私に手を差し出して、起こしてくれて
私は、急いで乱れた着物の襟元を簡単に直した
「ぃぇ…」
「家康様!」
名前を呼ぼうとしたら、家臣の人の声で遮られた。
「…全員殺してないよね?」
「はい。他のやつらも縛り上げ、刀などの武器は、全て奪いました。」
「わかった。政宗さん達と合流して、安土城の牢に連れて行って。」
「はっ!」
家臣の人達が、捕まえた男達を連れて行き
その場には家康と私だけになった