第28章 近くて遠い恋《14》
男に馬乗りされ、体を触られそうになるのを、必死に抵抗する
「いやっ!やめてっ!」
怖くて涙が流れ落ちる
「(家康っ!!助けて……)」
「陽菜っ!!!!!」
声が聞こえた方に男達が振り向き
私も目をむけると
家康……
嘘……来てくれた………
家臣を引き連れ、刀を手に、こちらへ走ってくる姿が見えた
「っ!?おい!奴から直々に来やがったぞ」
囲んでた男達が、腰に差した刀をとり、家康の方へ走っていく
馬乗りしている男の一瞬をついて、みぞおちをおもいっきりグーで叩く
「ぐっ…!」
怯んだ隙に、男をおもいっきり押すが
「この女っ!舐めた真似しやがってっ!!」
体から退かすことができず、逆上させてしまい、刀を手にとられ、私に向けられ
「(殺されるっ!!!!!!」)」
ギュッと目を瞑ると
「ぐぁっ…!」
ドサっ
体にのし掛かっていた重みが解けた