第27章 近くて遠い恋《13》家康side
城下を捜していた俺の家臣達も追いかけてき、政宗さんと二手に分かれて、森の中を捜した
草履が片方、森の入口にあるってことは、森に逃げ込んでいれば、もう片方も森の中に落ちている可能性が高い。
足元にも注意しながら奥に進んでいくと
「家康様!こちらにもう片方の草履が!」
声を出した家臣の方に近づく。
「……かなりの距離を走ってるな……」
「さらに奥深く逃げている可能性が……」
「あるね。逃げ回っているのと体力的なことを考えると、大きな木とかに隠れて、やり過ごしたりしているかもしれない。木の周辺も気にしながら、奥へ捜す。」
「「「「はっ!」」」」
再び、捜索を始めた。
木の周辺も目を配りながら捜しているが、これといった手がかりはなかった
さらに奥深く捜し、足元にも目をむけると
「(御守り?)」
――――――
『陽菜、お守り持った?』
『うん!ちゃんと持ったよ!』
――――――
戦にいく直前、姉妹で交わした会話が聞こえたのを思い出す。
どんな御守りかは見てないけど、陽菜の物かもしれない。
御守りを懐に入れ、さらに奥へ走りだそうとしたとき
「いやあぁぁぁぁぁーーーーー!!!!」
陽菜っ!?!?
声が聞こえた方へ急いで向かう
そこには男数人に囲まれ、馬乗りされている姿が見えた