第27章 近くて遠い恋《13》家康side
ザー……………
パシャっ!パシャっ!パシャっ!
雨の中、城下を走り回り陽菜を捜すがどこにもいない。
「…はぁ…はぁ…いったいどこに……」
「家康!」
「…政宗さん…」
政宗さんが家臣達を引き連れ、駆けよってきた。
「いたか?」
「いえ、どこにも……」
「そうか…城に行ったら、文などは届いてないって秀吉が言ってた。秀吉と三成も家臣を連れて捜索している。光秀は城に残ってる」
「……はい…」
「城下をこれだけ探し回ったんだ。城下から出ている可能性があるな……」
「……………」
「家康?」
「…いえ……捜しましょう…」
政宗さんの言うとおり、城下から出ている可能性がある
くるりと政宗さんへ背を向け捜し始めようとすると
「…お前ら、森の方まで先に行っといてくれ。俺と家康は、このあたりをもう一度捜してから追いかける。」
「は?」
「「「「はっ!」」」」
家臣達は森の方へ走り出した
「政宗さん?このあたりはもう…っ!?」
グイっ!
政宗さんに胸倉を掴まれ
「お前、陽菜に何かしたのか?」